僧侶のためのグリーフケア連続講座in北海道 第1講

  • 2016.05.25 Wednesday
  • 14:37
   

 リヴオン尾角光美さんによる「僧侶のためのグリーフケア連続講座in北海道」。先日のブログでプレ講座を受講したことを書きましたが、その第1講が5月17日、東本願寺会館北海道教務所で開催され、受講してきました。


 講座は、午前11時から始まり、午前は連続講座の概要についての説明があった後、ファシリテーターの尾角光美さんが「てるみんの一人称の物語」と題して、自身がグリーフケアに出会い、学ぶことになった経緯などを語ってくださいました。
 以前にも講演やプレ講座で聞かせていただいたことがありましたが、てるみんの経験に基づいた言葉の一つひとつには、いつも深く心を動かされます。今回講座を受けるのにあたって、「私がグリーフケアを学ぶ理由」を書いてくるという課題があったのですが、てるみんほどのものではないにしても、なぜ自分がグリーフケアを学ぼうと思ったのか、自分自身の物語というものを大事にして学んでいこうと思いました。

   


 昼休憩の後、午後からまず行われたのが「3分レクチャー」。
 グリーフについて講義を受ける前に、3分でグリーフとは何かを説明し、そして説明を受けた人は2分でその聞いて理解した内容を伝え返すというもの。プレ講座でグリーフについて概要は学んでいましたが、いざ自分でそれを説明するとなると、難しい…。3分どころか1分半で説明が終わってしまい、3分間という時間で過不足なく伝えることの難しさを感じました。
 
 この「3分レクチャー」の後、もう一人のファシリテーター、水口陽子さんが改めて「グリーフ」について説明してくださいました。
 先日プレ講座を受講したときのブログにも書きましたが、グリーフとは「大切な人、ものを失うことによって生じるその人なりの自然な反応、感情、プロセス」。そして、大事なのは「その人なりの」ということ。大切な人やものを失うことによって生じるのは、悲しみだけではなく、人によっては安心、無感動、後悔、怒りなどであったり、あるいは心理的影響だけではなく、身体的影響(睡眠、食欲への影響、胃痛など)や、社会的影響(不登校、会社に行けない、人間関係の悪化など)、スピリチュアル的な影響(生きている意味の喪失や模索など)であったりと、その影響は多岐にわたるということです。
 遺族の抱えるグリーフの課題は多様でそれぞれである、そのことにご遺族に接するときには注意し、またそのことをご遺族に伝えるということをしていきたいです。
 

  

 そして、グリーフワークやケア、サポートの説明があった後、行ったのが「『違い』を知るワークショップ」。
 これは、4グループに分かれ、「病気でなくした人」「自殺でなくした人」「親をなくした子ども(若者)」「子をなくした親」について、それらの「抱える困難、課題」と「それぞれのニーズと必要なケアやサポート」を挙げるというもので、私は「病気でなくした人」のグループでした。
 このワークを通して感じたのは、自分たち僧侶にできることは決して多くないということ。病気では、医者など専門家につなぐしかないこともあります。そして、これは他のグループの感想として出たものですが、その専門家につなぐにも、そもそもその情報さえ知らないということもあります。僧侶としてできることは何かを模索するとともに、先ほど書いたグリーフの情報を提供できるようになることが大事だと強く感じました。
 

  

 以上、講座が終わったのは午後6時。7時間(途中休憩1時間)という長時間でしたが、それもあっという間に感じる充実した一日となりました。法務の現場に生きかせるよう、残り4回もしっかり学んできたいと思います。

(覚王寺・副住職 内平淳一)

 

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